経費削減、家賃交渉、コストカットのプロフェッショナル

株式会社テンプラス

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vol.1 思いが生んだサービス

コスト削減コンサルティングサービスを提供する株式会社テンプラス。大阪出身の代表者・保(たもつ)氏に起業に至るまでの背景や理念等、事業概要や会社情報では分からない思いを語って頂きました。

株式会社テンプラス 代表取締役社長保喜博

起業するきっかけは何ですか。

 実は、私自身は勤めていた会社が倒産しなかったらいまだにサラリーマンだったろうな、と思うんですよ。同期では出世頭だったので、会社がまだ存続していれば部長ぐらいにはなっていたかも知れないですね(笑)。大手小売企業に所属していまして、500社ぐらいのグループ企業を持つ会社にいました。幹部候補生として、色々な研修に参加していて、会社の実情がどういうものかっていうことを知っていたんです。なるほど売上が2兆円あるけど、有利子負債も同じぐらいあって、前期の経常利益が7億ぐらいしかないという状況を見たときに、こりゃもう飛び出そうって決めました。当時はタイタニックという映画が流行っていて、結局どんなに綺麗な演奏しても船自体が沈んでしまったらしょうがないな、と思って、タグボートで飛び出したのが7年前のことでした。

今のビジネスを選んだのはどのような理由からでしょうか。

 私は商売人の息子で、父や祖父の背中を見て育ったので経営に興味がありました。会社を辞める前は転勤族だったので、大阪に帰ったのもそのとき。大阪は今も厳しいけど、6〜7年前は今よりもっと厳しくてね。商店街の2代目、3代目の商店主は疲れきっているし、テナントで借りている店のシャッターがどんどん閉まっていくし。退社してからハローワークとか通いながら浪人活動をしてたんだけどね(笑)。街を歩いていて「この状況を何とかできないかな。」と感じたんですよ。

 最初の発想は、12〜13年間サラリーマン時代に鍛えてもらったスキルをこの街に還元できないかと思ったこと。最初から地元還元というテーマを持っていて、10万円という安価な料金で新聞の折込からデザイン・印刷まで全部やってしまおうと思って、チラシデザイン制作パッケージを始めたんです。当然フリーランスやったんで、一人で大阪の商店街を隅から隅まで走り回ってたね。

街の人たちの反応はどうでしたか。

 いや、反応はあったよ。あったけど、ある程度の規模の会社ばかりだったんです。2年ぐらいはやっていたのかな。ただ、私が何とかしたいと考えていたのは、しんどい経営を強いられていた街の店だったわけだけれども、そうしたしんどい層からは一切レスポンスがなかった。「待てよ」と。「しんどい層は広告なんて出されへんねん。その10万円がないんや。ほんなら根本から見直さなければあかんのか」と、サービス自体の見直しをすることにしました。

 安価な10万円のサービスではなく、10万円を捻出するサービスに取り組んだわけですね。

 そう、コストを削減して新しい投資に回してもらえるようにしようと思ったわけやね。
 当時、マイラインのブームがあって、どこの通信会社も代理店を大募集していました。その頃は、私自身も社員を雇用して法人としてやっていたので、「少しでも経費削減につながれば」とマイラインの代理店をやったんです。お客様に「通信費削減しますよ」と言うわけだけれども、マイラインをきっかけに一斉に価格競争が起きたんで、通信費を安くするだけだったら説得力がないねん。電話がかかってくることが多い美容院みたいな商売にとってはあまり魅力ないでしょ。
 他で、経費を削減できることがないか探していて、目をつけたんが電気やガスや水道といった公共料金。当時も公共料金を削減している会社は結構ありましたけど、結構荒っぽい商売というか、大きな機械やら浄水器やら節水機を備えつけることが多くて、その機器が結構な値段するから5年ぐらいのリースを組まされるんだけど、電気代や水道代が下がったとしても機器のリース代と合わせると、結局下がったか下がらんのかよう分からんことになっていたんですよ。もちろん、特許をとって商品開発して、ほんまもんの商売やっているところもありますよ。でも、よく分からない商品を売っているところも多いじゃないですか。
 そんなら、依頼主の公共料金をまるごと受けて、関西電力や大阪ガスとかいろんな会社と折衝しながら、単価を下げたり、契約プランを下げたりとかして、自前でコツコツ削減をしてみようかなと思って、公共料金の削減サービスを始めてみました。

通信・公共料金とコスト削減サービスのメニューを増やしていったんですね。

 もともとコスト削減ビジネスをしたいと思っていたわけではないんやけどね。経営がしんどいところにどうしたら役に立てるかと突き詰めていった結果、3年ぐらい前にこういうビジネスがあるんだということを見つけたんです。
 そのときに、業界見渡してみたら大手がなかったんですよ。「コストカットっていったらココ。経費削減っていったらココ」ってのがなかったわけやね。地元を一生懸命歩いて、商人の発想でコスト削減コンサルという仕事をやっているところがないな、と。あったとしてもきちっと伝えられてないから世に問われていないとかね。いわゆる経費削減の分野では、先行している企業さん達が結構横着なところもあるんで、真剣にまっとうにこの商売をやっているところが少ないんですよ。
 やってみた結果、誰も損しない。家賃もそうだけど、店主はいろんな経費について、もともと高い単価で我慢していたんだと思います。時代背景としても、失われた10年、15年と言われ、企業のリストラが叫ばれ、いきなり肩を叩かれたりとか、給料下げられたりとかして、みんな苦い思いしていたと思うんですね。そういう状況で社員とかサラリーマンの家計は苦しくなっているんだけれども、家賃は下がらない。それってどうなのかなと。実際、その街で暮らしている店子さんが一生懸命汗をかくから、地元愛が出来たり、地元で買物をしたり、お店のファンになったりすると思うんですよ。
 オーナーや管理会社の方は、あまり良しとはしないかもしれないけれども、こうした世間の事情や店子さんの実情を理解してもらった上で、リレーションもきっちり保ちながら粘り強く交渉していったんです。例えば、そのビルの電気使用料の削減を一緒にお手伝いするとかしながらね。コスト削減は決して無理なことじゃなくて、一つ一つ粘り強くやっていくことで実現できるんだという自信が生れました。
 私たちのビジネスをもう少し大きなテーマで捉えると、社会貢献とか地域社会の活性化はもちろん、地球規模の環境に貢献するビジネスでもあるんですよ。簡単なことで、電気を消していきましょう、消費するエネルギーを削減しましょうってそういうことやんか。街の御用聞きコンサルを続けていくと、お客様から「こんなんできないの」という要望を頂き、それを実現していく中で、新しいサービスメニューを増やしていきました。

たくさんのメニューがあると思いますが、最近できたサービスをいくつか教えて下さい。

 カードの決済手数料に関してのコンサルティングです。よほどの大手チェーンでなければ、決済手数料は5〜7%と決まっています。ちょっとした繁盛店だったら月に1000万分ぐらいのカード決済を切るんですよ。そうすると、売上から50万〜70万円分減るんやで。これを2%でも削減できたら、年間で240万円になるわけですから。向こう10年間どれだけの経費削減になって、それが新規出店の販促費になったりとか、新しいクーポンのカテゴリにチラシを入れられたりとか、新しい戦略のために投資できるやん。半年かけて、大手カード会社さんに思いを伝えて、代行でカードの手数料率に関しての削減コンサルもできるようになりました。カードについては、もっともっと見直して商店主に喜んでもらいたいですね。
 あと、AED(自動体外式除細動器)って知っていますよね。月1回社員も含めて、ボランティアでセミナーや研修を開催したり、大手飲料メーカーさんとタイアップして無料で地元に置いてもらえるようなプロジェクトを実施したりしています。
 単純に儲けることだけを考えるのではなく、地域社会にどのような貢献ができるかという視点でサービスをつくっています。社名にあるように、お店の「店(テン)」にプラス効果のあるサービスをどんどん作っていきたいですね。

(vol.2に続く)

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