山本と3社に1億円の投資をした学生ベンチャーキャピタリストの対談

3月吉日、千鳥ヶ淵の桜も満開となったあたたかく春めく陽気の中、

PE&HR半蔵門オフィス第一会議室にて…

 

山本亮二郎(以下、山本)「暖かくなってきて良かったですね、会社は2日からですか?」

新葉岳史(以下、新葉)「そうです、2日からです。」

山本「朝何時からですか?」

新葉「入社式は9時からですけど、それ以降はまだ何も聞いてないです。」

山本「でも9時からっていっても早く行くのですか?8時半とかに。」

新葉「そうです、早めに行くつもりです。」

 

[新葉さんの学生時代について]

山本「えー、じゃあ始めますね、随時写真も撮りながらやりますので…」

新葉「よろしくお願いします。」

⑦

山本「まず、学生時代どんな感じでしたか?インターンはひとまず置いて。」

新葉「1年の頃は予備校で働いていました。2年生の頃はそのバイトから離れてサークルだったり、3年生からはゼミだったりと、どちらかというと真面目な方向で活動しておりました。」

山本「バイトに明け暮れていたということですか?」

新葉「1年生の頃はそうですね。」

山本「何のバイトですか?」

新葉「東進ハイスクールでアルバイトをしていました。」

山本「先生をしていたのですか?」

新葉「いえ、先生ではなく生徒の勉強や成績の管理を行っていました。」

山本「そうなんですね。コラボプラネットって知っていますか?当社の投資先です。この間日経ソーシャル賞を取りました。過疎地で塾をやっているのですが。」(コラボプラネットのURLはこちら

新葉「いえ、あまり…」

山本「そう。何でその塾でアルバイトをしようと思ったの?」

新葉「高校生の時にその塾にお世話になりまして。」

山本「その塾には高校何年生からいたの?」

新葉「高校2年生の時からです。」

山本「浪人せずに受かったのですか?」

新葉「はい、現役で。」

山本「それで、高校の時は何か運動部をやっていましたか?」

新葉「高校の時は野球を、小学校からずっとやっていて…」

山本「へぇ~、どこを守っていたのでしたっけ?」

新葉「セカンドを。」

山本「じゃあ運動神経は良いってことだね?」

新葉「いや、運動神経はそんなに(笑)、野球部も補欠だったので…」

山本「補欠だったのですか。」

新葉「はい。」

山本「その野球部は強かったですか?」

新葉「いえ、強くもなく弱くもなくて。最後の大会で県ベスト16という成績でした」

山本「高校はどこでしたか?」

新葉「埼玉県立蕨高校というところでした。」

山本「野球の名門なの?」

新葉「いえ、最近強くなってきたので名門というわけでは。」

山本「で、3年の卒業まで続けたということですか?」

新葉「はい、卒業まで続けました。」

 

 

[部活と勉強の両立について]

山本「そうすると、受験には影響が出ませんでしたか?」

新葉「部活終わってから塾行くといった生活だったのでそこまで。」

山本「色々なことを同時にこなしているということは能力が高いということですかね?」

新葉「いえ、そんなことないです(笑)」

山本「僕は部活しかやってなかったので。終わったら疲れて勉強出来なくないですか?」

新葉「疲れて勉強出来ない日もありました。」

山本「蕨高校は県立ですか?」

新葉「はい、県立です。学校からの帰り道に塾があったので必ず寄るようにしていました。」

山本「いつ塾に行っても大丈夫ということですか?」

新葉「いつ行っても大丈夫です。」

山本「録画で勉強する方式ですね。」

新葉「そうです。衛星放送で。」

山本「その中から授業を選ぶ形で進めると。ということは先生は教室にいなくても大丈夫ということになりますか?」

新葉「そうですね。」

山本「その中でチューターがいて、進捗管理をしたりと教室長のような仕事をしていたのですか?」

新葉「そのような感じでした。」

山本「大学では野球をやろうとは思いませんでしたか?」

新葉「入った大学が明治大学で野球も強かったですし、僕自身そんなに上手い訳でもなかったので、高校の時から『もう高校で辞めよう。』とは思っていました。そして大学入るまでは自分が何をしたいのかがよく分かっていなかったのでそのまま塾でのアルバイトを始める、という流れになります。」

山本「2年生からは何を始めましたか?」

新葉「2年生からは考え直して、大学でしか出来ないことをやろうと思い、サークルと、元々興味を持っていた金融や経済に関する勉強、例えば簿記等の勉強を2年生から始めました。」

山本「サークルは何をやっていましたか?」

新葉「サークルは野球とフットサルの2つに所属していました。」

山本「その時アルバイトはしてなかったのですか?」

新葉「一応、アルバイトはしていましたが、かなり減らしました。」

山本「学園生活を満喫したということですね。」

新葉「そうなったかは分からないですけど(笑)その時間は作りました。」

山本「それに加えて勉強もしたということですね?」

新葉「そうですね、空いている時間に勉強もしました。」

山本「何か資格は取りましたか?」

新葉「簿記の2級まで取得しました。一級は現在も勉強中です。」

山本「税理士になりたいと以前聞きましたが?」

新葉「いえ、2年生の頃は税理士や会計士も考えていましたが…。」

山本「金融に興味を持ったのは何故ですか?」

新葉「昔から経済やビジネスが好きで、社会にお金を流すことによって経済が動いていくことが特に面白みがあって好きです。」

山本「家が商売をやられているのですか?」

新葉「いえ、全く。」

山本「何かきっかけがあったのですか?テレビドラマを見たとか?」

新葉「元々ニュースが好きで。」

山本「経済ニュースですか?」

新葉「いえ、経済に関わらず、『知ること』が好きなので子供の頃からずっと観ていました。」

山本「『知ること』というのは世の中のことを?」

新葉「世の中のこともそうですし、知的好奇心というとカッコイイですが、そういう好奇心旺盛な性格ですので。」

山本「具体的にはヨーロッパ経済を中心に勉強してたんですよね。」

新葉「そうですね。卒論ではヨーロッパ経済について書きました。」

山本「どんな内容ですか?」

新葉「ヨーロッパ経済の国ごとの不均衡についてですね。」

山本「主にどことどこのですか?」

新葉「主にドイツとギリシャについて」

山本「その両国を比較した、ということですか?」

新葉「比較しましたね。」

山本「主に国民生活ですか?」

新葉「いえ、どちらかというと貿易ですね。主に貿易と競争力についてです。」

 

[PE&HRでのインターンについて]

山本「それで、当社に来ていただいたのはいつでしたか?」

新葉「2016年の10月、大学3年生の頃ですね。」

山本「じゃあちょうど1年半ということですか。」

新葉「そうですね。」

山本「入るきっかけは何だったのですか?」

新葉「経済とか金融とか興味持ったきっかけを先ほどお話したと思うのですが、大学3年生の時にゼミに入ってそこでずっとバイトもせず注力してきました。その後ゼミが落ち着いてきて次はなにをやろうかと考えていたときに、といった感じです。」

山本「ゼミもヨーロッパの経済ですか?」

新葉「いえ、ゼミは討論会なので関係ないのですが。」

山本「討論会ですか?」

新葉「はい。1個のテーマを決めてそれに対してどうするべきか等を話し合います。」

山本「では色々な関心を持った学生がいたわけですね。」

新葉「そうですね。前期が日本経済で物価上昇などについて、発表というよりも論文をゼミで書いて物価を上げるためにどういう政策をしたらいいかなどを話し合いました。」

山本「それで、何かやろうと思ったときになんで当社の仕事に興味を持ったのですか?VCのことを初めから知っていたのですか?」

新葉「いえ、VCに関してはあまり知らなかったですね。」

山本「では来た時にはなにやっているかあんまり分からなかったということですか?」

新葉「少しは調べたりはしてきたのですが、最初の段階では、お会いした時にはあんまり分かってはいなかったです…」

山本「来るまでに分かったというか、面談で少し説明したとは思うのですが、確かにあまり分かっていなかったような…(笑)」

新葉「そうですね(笑)」

山本「実際に一昨年の10月からVCという仕事をしてみて、それぞれ経緯はあるけど3社に投資をしてどうでしたか?エキサイティングでしたか?」

新葉「こうやって投資に関わるということはとても面白かったですし今まで銀行とか色々見てきたのですが、それより面白いなと感じました。」

山本「どこが面白いと思いましたか?」

新葉「銀行との比較になってしまって申し訳ないのですが、銀行はお金を返してもらえるかというところで融資判断をしていくと思うのですが、VCは会社の成長性であったり社長の人の強みであったりそういうところで投資判断をしていくので投資というのはその点が面白いと思いました。」

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代表の山本(最前列)と学生ベンチャーキャピタリストのみなさん

 

山本「前も話したと思いますが、この会社はどう?と話したときにお互いの意見が一致したりして面白いよね、なんてことがあったりして、予測出来ないけども良い、という判断をしているわけじゃないですか。それって何だと思いますか?」

新葉「前も考えてみたのですが、言葉に表すのは難しいし、評価というのは軸が1つではなく社長の人格であったり頭の良さであったり事業の成功可能性であったり、ビジネスモデルがしっかりしているだとか本当に色々な評価軸があってその中で絶対的評価ではなく相対的に評価していっているのではないかと思います。だからある程度一致するのかな、と思います。」

山本「なんでしょう、その企業の将来的成長性を予測するとかそういうことかな?その事業であったり経営を担っている社長の成長性を見ることであったり、ということ?ポイントは分析力とかそういうこと?」

新葉「分析と言ってしまうとそうなのですが、数字だけでなくて、社長を見る力というのも大切だと思うので、例えば経済を予測すると言ってもそれを予測することは難しいと思うので、広義の分析力だとは思います。」

山本「あと、その会社を分析する前にまず会社を探すとこからだと思うのですが、そのやり方は前々から聞いてはいるんですけども改めてどんな風にやっていましたか?」

新葉「探してくるのは主にニュースサイトからです。」

山本「塚本さんなんかはネット上のPRTIMESはカテゴライズされていないのでそれがされているTwitterで探していると言っていましたね。」

新葉「僕はSNSには強くはないので…」

山本「なるほど。今まで何社くらい会ったと思いますか?」

新葉「リストに挙げたものだと300~400ほど、会ったのは100社弱ですかね、名刺見れば分かると思います。」

山本「じゃあ300社探して3社投資したということですよね。」

新葉「そうですね、探したというともっとあると思います。たぶん数千とか。」

山本「じゃあ良いと思ったのが300社ってことですね。」

新葉「そうですね。」

山本「その中で会えたのが100社いかないくらい。まぁここまででも十分面白いとは思いますが本当はもう少し時間があったら、もっと面白くなりますよ。実は前の日に徹夜をしてしまって。何で徹夜したかというと次の日の朝9時から投資先に関することで過去のレポートとか資料とか頭に叩き込まなければならなかったので…。支援の時間が長くなれば特に重要な面談とか経営の全体的な方向性を決める会議であるとかやはりそういう局面があって、そのような時は非常にパワーが必要です。学校とは違って座っているだけではダメで、その場でどのような意見を述べることが出来るか、といったことが大事です。投資後の企業状態を分析してその大きなことを見通しながらやっていった上で意見を述べていくことが大切になります。ですが、意見を述べるだけでは評論家ですので方向性に何か影響を与えないといけません。そのためには経営についての実力、見識、それからしっかりと関係性があった上で発言する必要があります。どんなに立派なことを言っても聞いてくれなければ意味がない訳ですし、お友達でもないので気に入られるためにやっている訳でもありません。時には険しい、孤立する場合もあります。まぁあまりよくない場合ですけど反目したりというような状況になってくることも起こり得るわけです。そこも含めて出来たらいいな、とは思っていましたが、新葉さんの就職先が金融ですし、グループの投資会社に行ったりすると若干ややこしくなるかな、という思いもありました。せっかく当社を見つけて来てくれて、実際に仕事をやっていただいて、投資先もあるので、その段階に進めるかどうかは僕も悩みました。要するに投資後の業務も非常に大変ですが面白いわけです。投資先との付き合いは長いところで10年。一緒にずーっと通い詰めて、その方向性に対して意見を言っていく仕事です。そこをやることが出来なかったのは残念ですけれども…。あとやってみて感じたこととか、希望というか、こんな感じでもうちょっとやってみたかったとか、ありますか?」

 

[新葉さんの将来について]

新葉「僕の将来的なことなんですけど、結構起業に興味を持っていて…」

山本「え、知らなかった!」

新葉「もちろん今は証券会社への就職が決まったので考えてないのですが、しかも自分には営業力や知識面等の実力がまだまだ足りないところがあるので、いずれは挑戦していきたいな、という思いがあります。」

山本「なるほど!それはVCをやっているうちに?それとも元々考えてましたか?」

新葉「そもそも僕はずっと、変な考えかもしれないですけど、マクロで経済を見ていた人で、企業単体で見ていたことがあまりありませんでした。でもよくよく考えてみると、スマートフォンで本体もアプリも色々使っているし、それも一企業の実績として成し遂げたもので、それで社会が良くなっていくということを考えると、そこを見ていかないといけないなとは思っています。それもそういう感覚が出来たからそう思い始めたのだとは思います。」

山本「感覚というのは?」

新葉「ミクロ的な視点というか…。」

 

[山本の独立について]

山本「それは色々な企業を訪問しているうちに現場に近づいていったということかですかね、まぁ経済全体はその集合体ですし、しかも圧倒的に中小の方が多いですからね。とにかく独立はした方が絶対良いです。良いというのは、会社に勤めててもいいけど好きなようには出来ないというか。僕も覚えていますが、34歳の時に起業して、最初は住んでいたアパートがオフィスでした。一応社名はありましたが会社のマークもないし、固定電話も無いからケータイしかなくて。そこの代表取締役とか書いてはいましたが、まぁ僕一人なので(笑)あとメールアドレスの自社ドメインも無かった。僕は社会人になるのが遅かったので会社員時代は6年くらいしかないのですが、まぁ独立したら自由になれるという風に思うじゃないですか。会社員の不自由さというか。全て自分の好きなようには出来ないじゃないですか。色々全部自分で決めることが出来ると思って独立しようと思ってきたわけですけど。実際始めてみて名刺しか無い状態でやってみたらアレ?と思って、全然不自由じゃん!と思って。誰も自分のことなんて知らないし、気にもかけてないし、話なんて聞いてくれないし。ナニコレ。ポツリとしてて全然だめじゃん、と。最初の本当1か月くらいは。だからもうそういうものなのですが、それでもやった方がいい。やった方がいいというかやりたいと思わない人はやらなくていいと思いますがやりたいと思う人はやった方がいいと思います。今年の春で私も15年間。皆さんのおかげで生きることが出来たので。また生き残ってくるとあきらかに会社員時代と比べれば資産も違うし、実力も会社員時代で得た実力と、独立して15年で得る実力とでは桁違いだよね。で、更に会社のバランスシートがあるわけですよね。まぁそうなってくると色々なことも出来るし、相変わらず色んな失敗もしてはいますが、やっぱりやった方がいいと思います。私は今年で50歳で、あと30年はやるつもりだからここから30年。30年全力で出来ると考えると相当のことが出来るようになると思います。

入社1年目は相当競争があって忙しいとは思うけど、体を大事にして、親孝行して下さい。ここでなにか最後、後輩たちと投資先への社長へのお礼でもいいし、これから当社じゃなくてもいいからインターンをする人へVCの仕事をする人、何でもいいですが、なにか少し語っていただいていいですか。」

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[新葉さんからのメッセージ]

新葉「まず、VCという職に就いたことのない人たちへなんですけど、拙いですが投資というのは面白い仕事だし色々なビジネスを見れるからこそ知識も人一倍付くと思うので、そしてそれは無形の資産としてずっと残っていくものなので役に立つと思います。」

山本「何かこれっていう知識じゃないよね。」

新葉「そうですね。」

山本「何かこう、全体的な…」

新葉「感覚的なことが多いかもしれないです。ビジネスをするうえでのアカデミックではない知識だとも思います。投資先に関しては色々ミスをしたりメールも拙いもので(笑)色々ご迷惑をおかけしたとは思いますが…。」

山本「いやいや、とても良くできていましたよ。」

新葉「それでも皆さん本当に支えてくれて色んなことを教えてくれていま自分がこうやって成長出来ていると思って。今度は自分が新卒になるのでまた教わる立場になると思いますが、自分の下がまた出来たら色々なことを教えていければな、と思います。」

山本「是非、体に気を付けて。大活躍してくださいよ!」

新葉「もちろんです!」

山本「この前も投資予定の社長が言っていましたけど、こんな経験をしている学生はそんなにいないです。大体2.3年目くらいの実力にはなっていると思いますよ。」

新葉「いやいや、とんでもないです(笑)」

山本「楽しみにしています。本当にありがとうございました。」

新葉「こちらこそありがとうございました。」

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